2026.01.16
吸水ショーツで変わる
生理とのつき合い方#2 Period Underwear
writer / videographerMoi Hanawa
特徴
- 〻 経血やおりものを吸収する機能をもった下着
- 〻 ナプキンやおりものシートを付けずに使える
- 〻 洗って繰り返し使うことができる
- 〻 生理中だけでなく、生理前やおりもの対策としても使える
生理用品の「王道」から外れたところに
以前エッセイ#1で書いたように、紙ナプキンが生理用品の「王道」であることは今も変わらない。コンビニでもドラッグストアでも手に入り、迷わず選べる。生理が始まったとき、多くの人が最初に教えられ、使い続けてきたのも紙ナプキンだ。私自身も、長いあいだそれ以外の選択肢をほとんど考えたことがなかった。そんな中で「吸水ショーツ」という存在を知ったとき、正直なところとても驚いた。こんな選択肢があるのか。当時、生理用品といえば、ナプキンかタンポン。そのどちらかしか知らなかった私にとって、下着そのものが生理用品になるという発想は生理との向き合い方が更新されるような感覚だった。
いつ取り替える? 衛生的にどうなの? 吸水ショーツへのギモン
一方で、最初から抵抗がなかったわけではない。吸水ショーツについて知ったとき、長時間そのまま履き続けていて不衛生ではないのかという疑問が浮かんだ。紙ナプキンの場合、「こまめに取り替える」ことが清潔さと結びついている。その感覚が身体に染みついていると、下着に吸収させたまま過ごすという行為は、どうしても少し不安に感じられる。実際に使ってみると、その印象は少し変わった。吸水ショーツは、吸収した液体が肌に戻りにくい構造になっており、濡れた感覚がずっと続くわけではない。もちろん限界はあるが、想像していたような「ずっと湿っている」状態とは違っていた。
ナプキンと併用する使い方
個人的に、量が多い日や一日中外出している日は、吸水ショーツ「だけ」で過ごすことには今でも躊躇がある。そのため私が選んだのは、吸水ショーツの安心感の上にナプキンを装着するという使い方だった。ナプキン1枚よりも安心感があり、それでいて、もしものときに受け止めてくれる余裕がある。私にとってはこの併用がいちばん現実的だった。吸水ショーツは、何かを完全に置き換えるためのものというより、安心を「重ねる」ための存在として機能している。ナプキンの代替として開発された商品の使い方としては、少々邪道な感もあるかもしれないが…。終わりかけの日など、経血量が少ない日はナプキンをつけずに使うこともある。また、夜寝るときは朝までナプキンを取り替えるという行為が発生しないので、吸水ショーツだけで眠ることも。経血量が不安な場合は、ナプキンやタンポンを念のため併用する。
「もうすぐなりそう」なときに便利
吸水ショーツの便利さを強く感じたのは、「もうすぐ生理になりそう」という時期だった。これまでは、まだ出血していなくても念のためにナプキンやおりものシートをつけて過ごしていた。何も起きていないのに、常に生理を先取りして構えているような状態だった。吸水ショーツを履くようになってから、ナプキンをつけずに動けるようになった。それだけのことなのに、不思議と自由を感じた。ナプキンやおりものシートをつけることに特別な抵抗がない人には、わかりにくい感覚かもしれない。
けれど私は、とにかくナプキンが苦手だ。ムレやヨレ、肌に当たる感触。それを「仕方ないもの」として受け入れてきた時間が長かった。だからこそ、ナプキンを使わなくていい時間が増えたことは想像以上にアメイジングな体験だった。どこかの広告のコピーみたいだけど、「こんなにも軽やかになれるのか」。
「洗って使う」現実的なハードル
吸水ショーツの大きな特徴のひとつが、洗って繰り返し使えるという点だ。使い捨てではないことは、環境面やコスト面ではメリットになる。一方で、この点は、そのまま面倒さにもつながる。外出先で気軽に取り替えることができない。使ったあとは、洗う必要がある。布ナプキンと同じように、「持ち帰る」「洗う」という手間が発生する。正直に言えば、洗うのはやはり少し面倒だ。忙しい日や、疲れているときには、使い捨てのほうが楽だと感じることもある。その意味で吸水ショーツは、何も考えずに使える生理用品というわけではない。
それでも、使い方を選べばとても便利に機能するとも感じている。たとえば、生理前の時期だけ使う。短時間の外出の日に使う。ナプキンと併用して安心感を補う。すべてを吸水ショーツに任せようとしないことで、この「洗う手間」は、現実的な使い方の範囲に収まる。
ナプキンが苦手な人ほど、向いているかもしれない
吸水ショーツは、ナプキンが嫌いな人ほど、便利さを実感しやすい生理用品だと思う。ナプキンやおりものシートをつけることに特別な抵抗がない人には、この違いはそれほど大きくないかもしれない。けれど、ムレやヨレ、肌に当たる感触がどうしても苦手な人にとっては、「つけなくていい」というだけで生理との距離が変わる。下着である分、肌への負担が少なく感じられるのも確かだ。
もちろん、吸水ショーツが万能というわけではない。量が多い日、長時間の外出、状況によってはナプキンや他の生理用品のほうが安心な場面もある。それでも、「ナプキンを使うか、我慢するか」という2択しかなかったところに、別の選択肢が加わったことは大きい。吸水ショーツは、生理を快適にする魔法の道具ではない。けれど、生理との距離を自分の感覚に合わせて整えるための調整役的アイテムなのだと思う。
生理の時期にその選択肢があるだけで、少しだけ息がしやすくなる。

Recommend
実際に使用したアイテムを紹介(使用感の個人的な感想としてご覧ください)。選ぶ際のポイントは、①質感、②吸水力(経血量に合わせる)、③デザイン性。肌に直接触れるものだから、素材による肌触りの違いやつけ心地のよさは重要。経血量によって軽めから吸収力が高いものまで色々あるから、ナプキンと同じように日によって使い分ける。アンダーウェエアも好きなデザインを身につけていると気分が上がる。「かわいい」とか「シンプルさがいい」とか直感的に好きだと感じるデザインを選びたい。
台湾の女性たちが開発したサニタリーグッズブランド。ムーンパンツを2019年にローンチ。シンプルで洗練されたデザインが魅力。薄手なのにしっかりと吸収してくれる生地も優れもの。
生理用品の開発について知ることができるこちらの書籍もおすすめ
→ムーンパンツ(GoMoond) 編集『生理を、仕事にする。: 台湾の生理を変えた女性起業家たち』アジュマ、2024年
まずは手頃な価格で試してみたいという人におすすめ。エアリズムと同じ素材でさらっとした質感、締め付けが少ない。ただし、漏れなさや生地の吸収力が若干弱めなので、経血量が多い日には不向きかもしれない。生理前やおりものが気になるとき、生理終わりかけにちょうどよい。
オーガニック栽培の竹から作られたバンブーレーヨンを使用したアンダーウェアブランド。吸水部分の厚みはあるものの、普通のインナーと見た目もほぼ変わらない。ストレスのないつけ心地の気持ちよさがとにかくすばらしいプロダクト。快適さを重視する人におすすめ。
日本美術史を学び、横須賀美術館、山種美術館に勤務。専門は、近代日本美術史。12年間学芸員として展覧会・教育普及・広報等を担当。その後、戦略コンサルティングファームに入社し、リサーチ・制作ディレクションを担う。現在、ライター・ビデオグラファーとして活動し動画コンテンツ制作に携わる。出産と子育てを通して、自身の心と体に大きな変化を感じたことをきっかけに、生理をテーマとしたメディア「Moi! Period」(https://moi-period.com/)を立ち上げる。産後にヨガを始めRYT(Registerd Yoga Teacher)200取得。Podcast「KARADA ICE」「MUSEUM Chat!」を配信中。