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2025.03.25

けっきょく、1番使いやすい?
生理用品の王道・紙ナプキン#1 紙ナプキン

制作ディレクター / Moi! Period 主宰塙 萌衣

特徴

  • タイプ: 下着に直接貼り付けるタイプ
  • メリット: 簡単、手軽
  • デメリット:ムレ・かぶれが起こる場合がある
  • おすすめポイント: 昼用・夜用・薄型など種類が豊富

使い捨て紙ナプキンについて改めて

生理用品の新しい選択肢は多く出てきてはいるけれど、紙ナプキンは日本で最も一般的な生理用品の王道だ。シェア率は80%以上 *1。下着の内側に直接貼り付けるだけという手軽さが特徴。超薄型から夜用まで、多様な種類があり、多い日・少ない日、活動的な時・寝る時など生理の状況に合わせてタイプ別に選べる種類が多いのが魅力でもある。現在の既製品生理用ナプキンの原型というべきものが1961年に発売された「アンネナプキン」*2。登場当時、超画期的なアイテムであったことは想像に難くない。

紙の使い捨てナプキンは、急に「生理きちゃった!」というときでもすぐに手に入れられる安心感がある。現在では存在が当たり前すぎて意識されにくいけれど、コンビニや薬局でいつでも買える利点は大きい。

一方で、長時間取り替えられないとムレやかぶれなど、デリケートゾーンのトラブルにつながることがある。個人差もあるが、ナプキンをつけていること自体の不快感も伴う。特に夏は辛い。

機能?素材?何を重視するかで選択が変わる

初経を迎えた際、「生理の How to」は、多くの場合、母親や姉妹(特に姉)を通して学ぶ。ここで「生理になったらナプキン」を覚える。これまでのインタビューでもそんな話を聞いたし、私自身もそうだった。現状は、ソフィの「はだおもい オーガニックコットン100%」が個人的にはいちばん使いやすい。

ソフィ(ユニ・チャーム)、ロリエ(花王)、エリス(大王製紙)などは、薬局やコンビニで入手しやすいメーカーである。バリエーションも充実している上に機能性も高い。たとえば、ズレにくいフィット感、横漏れ防止、肌への接触面を最小限に抑える構造など、技術的な工夫が凝らされている。

ナチュラル系としては、ナチュラムーン(G-Place)やシェリコット(第一衛材)、オーガニックコットンナプキン(コットンラボ)、無印良品(良品計画)などがある。肌に触れるトップシート部分が100%コットンまたはオーガニックコットンを使用、ノンポリマー(高分子吸収剤不使用)といった肌ストレスが少ない設計が特徴。また、最近では、綿ではなく竹素材を使用したバンブーサニタリーパッド(limerime)も登場 *3。竹素材のナプキンは、個人的にも試してみたい。

情報を参考にしつつ、自分の感性に合うものを選ぶ

私自身は、不快感は減らしたいものの敏感肌というほど繊細でないため購入場所も価格帯も比較的買いやすい大手製品を使っている。ナチュラル系の品質にこだわりたい人や、使用中のメーカーのものがどうも肌にあってない感じがするという人は、より肌に優しい製品を探すのも選択肢の一つだろう。ただし、大手よりも価格帯が高めなことが多い。また、オーガニックコットンだからといって全員が肌触りよく感じるかといえばそうでないし、フィット感や長時間漏れにくい機能性を優先したい場合もあるはず。

2010年代以降、大手メーカーでもオーガニックやノンポリマーの生理用品の開発に力を入れている。快適性とデザイン性、そしてサスティナブルな商品開発は、生理用品の業界で標準になりつつある。

色々なタイプのナプキンについては、比較サイト*4などを参考に自分に合ったものをチョイスできるといいと思う。自分の体との相性は、実際に使ってみないことにはわからない。

より安心をプラスするアイテム

さいごに、経血の量が多い時に安心できるアイテム2点を紹介。

1つ目は「シンクロフィット(ソフィ)」。このパッドはすごい。要はナプキンの吸収力をプラスする補助アイテムで、経血の量が多い時の「あっ!(ドバッ)」の不安も解消してくれる。装着した時の若干の違和感はあるが、最も多い日の1日だけつけておくとか、耐えられないほどでは全然ない(個人の感想!)。しかも、本体も包装紙もそのままトイレに流せるのが最高。

2つ目は、ショーツ型ナプキン(ユニ・チャーム、エリスなど)。その名の通り、ショーツ全体が紙ナプキンになっているタイプ。多い日の夜に使うと背中や横漏れの心配が軽減される。量が特に多い人には安心感があるが、これってほぼオムツに近いかも。機能性をとるかデザイン性をとるかみたいな話で、これはまた別トピックスで触れようと思う。

自分で自分の快適を勝ち取るのは大事なこと。選択肢はあればあるだけいい。迷いながらでも、自分のライフスタイルの中でよりよい選択ができますように。

次回は、「#2 吸水ショーツ」です。

Reference
*1
田中ひかる(2013)『生理用品の社会史』角川ソフィア文庫
*2
生理管理/ヘルスケアアプリ『4MOON(フォームーン)』「フェムテックに関するアンケート」
株式会社こどもりびんぐ「シルミル研究所のWebコンテンツ「ウーマンリサーチ」が実施した「生理用品」に関する調査」
Unicef「5/28は月経衛生デー 生理用品の入手や理解促進が課題 42カ国の国別データを比較分析」
*3
Limerime
*4
生理用品比較サイト3選
ELLE『生理痛が和らぐかも!? オーガニックナプキンおすすめ12選。夜用や布ナプキンも』
『いつでもオイテル』「生理用ナプキンのメーカー|日本のシェアやブランド別に生理用品の特徴を解説」
360LiFE(サンロクマル)『【LDK公式】生理用ナプキンのおすすめランキング6選。羽付きタイプの昼用を徹底比較【2025年】』

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Profile塙 萌衣 Hanawa Moi:制作ディレクター・ポッドキャスター/日本美術史を学び、12年間美術館でキュレーターとして勤めた後、2021年デザインコンサルティングファームに入社。リサーチ、制作ディレクション、テキストコンテンツを担当。出産と子育てを通して、自身の心と体に大きな変化を感じたことをきっかけに、生理をテーマとしたメディア「Moi! Period」を立ち上げる。産後にヨガを始めRYT(Registerd Yoga Teacher)200取得。体と心にまつわる雑談Podcast「KARADA ICE」配信中。
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