Swimming

2022.11.29

カジュアルに生理を語る語れる場所をつくることの意味

Moi! Period 主宰塙 萌衣

はじめに

はじめまして。Moi! Period を運営している塙 萌衣(Hanawa Moi)と申します。

この swimming という場所では、生理、女性の身体、感情など、心身にまつわる内容を記事として公開していく予定です。

このメディア「Moi! Period」を立ち上げた動機をここに記しておきたいと思います。
その動機とは、次の2点です。


1 生理についての語りをポジティブにしたい
2 感情と身体のコントロール、みんなどうしているのか知りたい

生理についての語りをポジティブに

「Moi! Period」は、「カジュアルに生理を語る」をコンセプトにしています。

日常生活の中で、生理について話題にする機会はどれくらいあるでしょうか?

もしかしたら、女性同士で、「今日生理辛いんだよねー」とか、「ナプキン、忘れちゃったの。貸してもらえる?」とかちょっとした会話はあるかもしれません。

でも、たとえば、生理の軽さ、重さ、それが人によってどれくらい違うのか?、寝込まないといけないほど辛いのか、ほとんど辛くないのか、量が多すぎで困ってるのか、どんな生理用品がおすすめなのか、仕事に影響して困ってることがあるのか、ないのか、などなど。

人によって異なるさまざまなシチュエーションや症状について、深く話す機会はそう多くないと思います。

生理について話すことは決してオープンであるとはいえないという現状があり、問題なのは、それがなぜなのか?ということです。

仮説を挙げるなら、「話にくい」「恥ずかしい」「人に面と向かって話すことではない」「話てはいけないこと」というような、日本の風土の中でつくられてきた生理をタブー視するムードがあるのではないでしょうか。

生理がタブー視されているということは、「話題にしない=生理が見えない」という状況を常態化します。「生理が見えない」、つまり、生理によって起こる身体や心の変化が、実際には起こっているのに見える化されないということです。

「生理について語る」ことができる、誰かの語りを聞く(読む)ことができる場所をつくり、「語り」を可視化することが見える化する一つの手段になるのではないかと思います。

生理は女性の身体のことであり、妊娠、出産(それを選択するしないも含めての)の選択にも繋がるから、とても大切なことのはず。

だから、もっとカジュアルに話せる世の中になったらいいんじゃないか、というのが根本の動機です。

個々の体験についてインタビューをする中で、生理の話は生理の話だけにとどまらないテーマだと感じています。

生理を語ることがこのメディアの大きな目的ではありますが、対話の中で意図せずして、女性の身体、価値観、ジェンダー、感情、仕事、育児といった多様な方向に視点が広がっていきます。
そして、「Moi! Period」は、女性のためだけのメディアではありません。男性も、一緒に聞いてほしいし、一緒に語ってほしい。

こうした想いものもと、運営しています。

感情と身体のコントロール

私自身のことを少しお話しします。

私はパートナーと、保育園に通う男児2人と暮らしています。

2021年まで美術館で学芸員をしていました。
現在は、リサーチ、ディレクション、テキスト執筆などを主な仕事として会社に勤務しています。

大学、大学院では、美術史、特に日本の絵画について学び、研究してきました。美術史の中で、ジェンダーやフェミニズムの話は重要なトピックスの一つです。過去にも、現代でもこれらをテーマに制作をしているアーティストはたくさんいます。

性差による差別、暴力、不平等、そういったことを作品という表現のかたちとして表すアーティストがいて、美術館で作品を見たり、本を読む中で私自身とても刺激を受けました。

私も、何か、活動や制作によって自分が感じているこうした課題にアクセスしたいと思いながらも、なかなか実行できず、時間が経ちました。

30代後半になって、出産をして、数年経って、「気分の浮き沈みが激しい」ことに悩まされるようになりました。生理前後だけでなくて、生理と生理の間の期間にも。婦人科で具体的に相談したわけではないので正式にはわからないですが、たとえば、PMS(月経前症候群)かもしれない。

この不調、イライラ、精神的な不安定によって、パートナーとも喧嘩する頻度が増えたし、子どものぐずりに対処できないし、仕事に集中できない時もあるし…、感情のコントロールが一つの課題となって浮上しました。

こういうことで悩んでいる人はきっと他にもいるはずで、生理や女性の身体のことをもっと知りたい、という考えとともに、もっと生理についてオープンに話せる場所があれば、他の人の話も参考にできるし、共有することで救われる人がいるかもしれない…。

というようなことを突発的に思って、クリエイティブができる方々に相談して実現したのがこのサイトです。

本サイトだけでなく、SNSや、Podcastを通じて、「カジュアルに生理を語る」取り組みを続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
応援してくださる方がいらっしゃれば、とても励みになります。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

Profile塙 萌衣 Hanawa Moi:日本美術史を学び、12年間美術館でキュレーターとして勤めた後、2021年デザインコンサルティングファームに入社。リサーチ部門を担当。デザインリサーチ、制作ディレクション、テキストコンテンツ、PRを担当。出産と子育てを通して、自身の心と体に大きな変化を感じたことをきっかけに、生理をテーマとしたメディア「Moi! Period」を立ち上げる。仕事が好き。ヨガも好き。2児の母。

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